KAI FACT magazine
華やかさと職人気質が共存するパリ
FACT  No.06


華やかさと職人気質が共存するパリ

礎となる伝統を重視する。
ものづくりはそこから始まる。

食やファッションなど、表向きは華やかで“スウィート”な印象を持つパリ。一方で伝統、歴史、ルーツを大切にする精神はきちんと残っており、道具を手に魂をこめるストイックで“ビター”なクラフトマンシップも残っている。両方が残っているからこそ、パリのシーンはいつも革新的なことに挑戦できるのだ。
幅が広い遊歩道が整備されている
全長4.55kmの〈サン・マルタン運河〉。
最高の天気のなか、運河沿いではたくさんの
若者が思い思いの時間を過ごしている。
水面が近いので涼しげでリラックスできる。
映画『アメリ』でも舞台になった
〈サン・マルタン運河〉周辺でハンモックを
持ち込んで、何もしない休日。
パリ人は特別ではない、いつもの余暇の使い
方が本当にうまい。
普段着のパリジャンに会える場所。
オープンカフェがとにかく多い。
恋人だろうと、夫婦だろうと、仕事相手だろうと、
パリジャン/パリジェンヌにとってスウィートな
時間を過ごせるこうした空間は、生活に
馴染んでいる。
パリらしい伝統的な石造りの建物と
石畳の広場でも、さっそうとローラー
ブレードを駆けるパリジェンヌ。
こんな何気ない日常がパリの現在を表現している。
映画『パリ、ジュテーム』でも観ている気分だ。
  • フランス革命が起こったバス
    チーユ牢獄の跡地、バスチーユ広場を中心としたエリアは、深い歴史的背景が
    ありながらも、パリ随一のナイトスポット。
  • 夜遅くまでオープンしているお店が立ち並ぶラップ通
    りは、カジュアルで気軽に楽しめるお店が多い。店の
    外まで若者があふれ、いつもエネルギッシュだ。
  • 観光スポットでもありながら、パリジャンにも愛さ
    れるサンジェルマン通りなど、落ちついた雰囲気の
    エリアも。皆が思い描くパリのスウィートな光景が
    広がっている。
パリの町には街角アートがあふれている。セレクトショ
ップ〈COLETTE〉のシャッターアートはJEREMYVILLE
というイラストレーターによるものだ。
昼のルーブル美術館前の広場も、夜のバスチーユのラップ通りも、パリは賑やかだった。
人が溢れ、街の風景はクリエイティブな意匠にあふれている。伝統的な建築にリスペクト
を払いつつ、時代に合わせて革新していく精神を忘れないのだろう。
多くのパリ人が言う。「家族や恋人と過ごす時間が、私にとってのスウィートな瞬間であ
る」と。日常のライフスタイルを充分に楽しんでいれば、特別な「何か」は要らない。日
本人が思い描くロマンチックなスウィート感より、身に付いたものを持っている。

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