KAI FACT magazine
I'm KAI,too! #06
FACT  No.06


私もKAIです。 #06

企画・販売促進部部長など3つの役職を兼務し、また〝創業家の長女〟としての顔も持つ遠藤部長。学生時代は他の仕事に就くことも考えたという彼女が、最終的には家業である貝印を選んだ、その決め手とは何だったのか。「仕事って1日の大半を費やすものじゃないですか。なのでせっかくなら、やってよかったと誇りに思えるもの、自分の力を活かせたと、いつか胸を張って話せるものがいいと思っていました。その点、貝印なら働くことがそのまま家族のためになる。私がこれまで学んできたもの、いま持てる力を家族に返せるというのは大きかったですね。またそれができるのも、たまたまこうした境遇にいるおかげ。本当に幸せなことだと思っています」。
創業家の一員であると同時に、女性であることも強く意識している。入社当時から感じているのは、貝印がまだまだ男性中心の会社だということ。ある会議では、集まったメンバーの中で女性は自分だけということもあったそうだ。「貝印の製品ラインナップを見渡してみると、メイクツールのような女性向けアイテムはもちろん、包丁やキッチンツールといった、女性により身近なものも多いんですよね。それらを扱う中で例えばパッケージの説明ひとつとっても、〝これにはこういう意味があるんです〟と男性が言うのと女性が言うのとでは、説得力も違ってくるはず。より良いものを作りさらに世に広めるために、もっと女性の存在が必要だと感じています」。
遠藤部長が現在統括している3つのチームはどれも女性の比率が高く、中でもKOBAKO推進室は所属する全員が女性だ。このような編成は貝印全体で見ればまだまだ珍しいが、社内に新しい風を送り込んでいることは確かだろう。自身の立場を常に意識せざるを得ない存在であることが、冷静な思考と俯瞰の視点をもたらしている。「常に願っているのは貝印が〝長く愛される会社〟になることですが、そのためにもまずは自分の手の届く範囲から〝女性がきちんと輝いて働ける会社〟を目指したい。私のような存在がいることでその道が開けるなら、こうして働いていることにも意義があると思うんですよね」。
  • 1度だけ、私が会議で泣いた理由。

    大学院時代のこと。授業は終業後19〜22時と土曜日は終日、さらに空いた時間も勉強せねばならず常に睡眠不足でした。ある会議で、報告中に不備を指摘されたんです。内容に自分も納得していなかったこともあり、張り詰めていたものがぷつんと切れて、知らぬ間に涙がこぼれていました(笑)。当時はまだ自分のキャパがわからなくて、いろいろ詰めこみ過ぎていたんですよね。職場で泣いたのは、覚えている限りこの1度だけです。
  • 働くまでわからなかった、思わぬ壁。

    創業家の一員として私を幼い頃から知る人は社内にたくさんいます。もちろん特別扱いなどありませんが、そんな環境の中で私は、どんなに努力してもずっと自信が持てなかった。“私は本当に貢献できているのか、過大評価されているんじゃないか”という思いが消えなかったんです。MBA取得のために大学院に行くことを決めたのも、実はこれがきっかけのひとつ。環境を変えて自分の本当の実力を確かめ、スキルアップしたかったんです。
3役兼務で頑張っています!

マーケティング本部 企画・販売促進部 部長 兼
KOBAKO促進室 室長 兼 新事業推進室 室長 遠藤 加奈子さん

2006年貝印入社。広報室に配属。宣伝・広報の他、ウェブ関連業務を担当。2008年、経営企画室に配属。主に美粧部門を担当。2011年より早稲田大学大学院にて経営学を学び、2013年にMBAを取得。2013年より商品本部(旧称)とKOBAKO推進室のチーフマネージャーを兼務。2016年より現職。

  • Questions
    ①この仕事を始めて  ②仕事で嬉しい瞬間
    ③休みの日は何を?  ④好きな音楽・アーティスト
    ⑤得意料理  ⑥最も印象に残っているレストラン
    ⑦1日の中で大切にしている時間
  • Answer
    ①入社11年目
    ②努力が形になり、周囲から評価された時
    ③ランやヨガ、食べ歩き
    ④歌手のクレモンティーヌ
    ⑤卵焼き
    ⑥仏「ミシェル・ブラス」はオーベルジュだったので食事の後はそのまま宿泊。その時に部屋から見た朝陽が本当に美しかった!料理の素晴らしさとともに、自然の美しさも強く心に残っています
    ⑦睡眠。ベッドの中にいる時が一番幸せ。

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