KAI FACT magazine
伊勢谷友介さん、これからの「つくる」って何ですか?
FACT  No.08


伊勢谷友介さん、
これからの「つくる」って何ですか?

今シーズンは「地球をおもしろくするEarth People」をテーマにお届けしている「KAI presents EARTH RADIO」。パーソナリティの伊勢谷友介さんが5月のゲストに迎えたのは、ベーシック・インカム(以下、BI)の第一人者であるエノ・シュミットさんだ。彼へのインタビュー取材を元に、今回の彼の来日コーディネートを行ったライターの佐々木重人さんをスタジオに招いて収録された。
シュミットさんの呼びかけを発端とし、スイスにおいてBIの実施について国民投票が行われたのが2016年6月のこと。結果は否決となったが、これを契機にBIについての議論は世界中で広がっている。シュミットさんは話す。
「新しい時代には新しい仕組みを作らないといけない。条件を付けず、すべての人が安定的に生活を保障されるユニバーサルなBIはそのひとつだ。お金への不安を持たずに生きていけるようになると、自分の信じるものを自由に追い求めることができるからね」。
BIが導入された場合、生活のために仕事をする必要がなくなる。すると、「『何のために生きているんだろう?』という問いが生まれる」(伊勢谷さん)ような社会にシフトしていくだろう。意識や生き方そのものが変わる、社会を変革しうる制度なのだ。
「他人を守ることに一生懸命に向き合うことができて、その思いがお互いをつないで幸せをつくる。BIによって、そういった新しい生活の形をクリエイトしていく未来がくるだろう、と感じますね」。(伊勢谷さん)
ベーシック・インカムとは?
最低限所得保障制度のひとつ。政府がすべての国民に、生活に必要な最低限の金額を無条件/一律に給付する制度。AI(人工知能)やロボット化により仕事量が激減するとされる未来を想定しての構想。2016年6月のスイスにおける導入に関する国民投票(結果は否決)をきっかけに、世界的な注目を集める。フィンランドでは2017年1月から2年間の試験導入が開始。失業者2000人を対象に、月に560ユーロ(日本円にして約7万円)が支給される実証実験だ。また、イギリスの労働党党首であるジェレミー・コービンが本格的な検討について言及するほか、今年5月のフランス大統領選の争点にもなるなど、欧米を中心に議論が盛んになっている。「人間の行動動機を突き詰めると二つしかない。“不安”か“愛”か。今はお金の問題のために不安を行動動機にしている人が多いけれど、BIによってその不安がなくなると、愛を行動動機にできるようになる。そうして初めて本当の創造性が開花するのではないでしょうか」。(佐々木さん)
「BIがあれば、生命の危機を感じることなく、より多くの人が社会貢献にも打ち込める。とても可能性のある制度ですよね」と伊勢谷さん。
  • 伊勢谷友介
    1976年生まれ。俳優、映画監督。「リバースプロジェクト」代表。「松下村塾リバースプロジェクト」では、「志」を持つ若者を発掘し、その想いを「行動」に起こすための支援も行っている。
  • エノ・シュミット
    社会彫刻家、映画監督。2006年、スイスにてBIイニシアチブを設立。2012年、普遍的なBIをスイスに導入するため国民イニシアチブを開始。2016年の国民投票では否決されたが、BIの議論を促した。
KAI presents EARTH RADIO InterFM897 [89.7MHz]で毎月第4火曜21時~22時放送。
iTunes PODCASTで世界配信(日本語のみ)

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