
自分の仕事が国境を越えて
笑顔を届けていることが
嬉しい
2年目からは現在も担当している欧米チームに配属となり、KAI USAのサポートを行っています。
アジアチームではカミソリと美粧ツールを扱うことが多かったのに対し、欧米チームでは「旬」シリーズをはじめとする高級キッチンツールが人気です。
とくに料理が趣味の方は素材によって使う道具も変えるので、ナイフブロックセットの人気も高くなっています。
2019年の3月、私はシカゴで開催されたキッチンウェアの国際展示会に参加する機会をいただきました。
KAI USAの担当者が私が日本から手配した新製品のプレゼンテーションを行い、多くのお客様が私が手配した製品を手に取り、係員に質問をしている。
その光景を見たとき、自分の仕事が多くの人に笑顔を届けていると分かり感動しました。

日本人ならではの細かさで
仕事が円滑に進むことを実感
大学で私のような外国人は、母国語、英語、そして日本語と3つ以上の言語を話せる人が多くいます。
私も学生の頃から英語は得意で、英語を使って仕事がしたいと考えていました。
海外とのやりとりは英語を使うのが基本。現在は英語が母国語の人と話すことが多いので私も普通に話しますが、アジアチームにいたときはなるべくシンプルな言葉を使うことを心がけていました。
こういう心配りができるようになったのも、日本で日本人ならではの細かさを学んだからだと思います。
入社して間もないころに資料づくりを頼まれて、つくった資料をお客様にメールしました。
資料はつくり終わった後に軽く目を通したのですが、お客様からミスがあるという指摘が入ったのです。
そのミスは正直とても小さなものでした。でも私は上司や先輩から怒られました。
「細かいと思うかもしれないけれど、手を抜かずにきちんとすることでスムーズに事が運び、みんなが気持ちよくなる」
この言葉は今も私の言葉に刻んであります。

将来は国ごとにマッチした
製品開発に携わりたい
細かいことでも手を抜かない。この大切さを身にしみて感じてから、私は扱う製品についてもたくさん勉強するようになりました。
現在の仕事ではお客様に私が直接製品の魅力をお伝えする機会は多くはありません。でも私が包丁に関する知識や貝印の技術を分かっていれば、現地のスタッフと話すときに何か伝わるかなと感じています。
今後業務をよりスムーズに行うために、旬包丁の知識をもっと増やしたいと考えています。
それぞれの国のお客様が求めていることを聞き、それを自分の中で咀嚼して、開発部門と一緒にお客様が満足できる製品を提案できたら。
そのために、包丁に関する技術や品質管理についてもっともっと勉強していきたいと思っています。

日本の会社で何ができるかを
真剣に考えてみてほしい
貝印で働いて感じるのは、オープンマインドの人がとても多いということです。
みなさんとてもフランクですし、それぞれの国の文化について興味を持ってくださり、外国人にも自然に接してくださいます。
話もおもしろいから、すごく楽しく仕事ができています。
学生時代はB to Bの仕事をしたいと考えていましたが、今は貝印に入社して本当によかったと思っています。
私のように日本での就職を考えている留学生は、数ヶ国語が話せることが多くの強みになるでしょう。
でも実際に働いて感じたのは、言語はあくまで“手段”であることでした。
就職を考えるときは、複数の言語を使って仕事をしたいということだけでなく、自分が日本で何をしたいか、何ができるかなど、言語以外のことも考えてみると、いろいろな可能性が見えてくると思いますよ。