2019年入社

研究

萩原 穂香

PROFILE

萩原 穂香

萩原 穂香

学部
理学系研究科
学科
生物科学専攻
出身地
埼玉県
趣味
ライブや音楽フェスに行くこと、美術館巡り
特技
ドラム

インタビューINTERVIEW

目に見える、形がわかる。
身近なものを研究

人の捉え方により答えが変わることなく、どんな解き方をしてもひとつの答えが導き出される。数学のそんな明快さが好きで、理系に進むことに迷いはありませんでした。
生物をテーマに選んだのはもっとも身近で目に見えるものだと感じたからです。
大学院では主にがんや老化のメカニズムなど、医学的な観点から生物科学を探求していました。

就職活動では、自分がどういうことでモチベーションが上がるのかを考えました。
そして私は“目に見える”“形がわかる”ものに興味があるのだとわかりました。
進学時に学びのテーマを考えたのと同じロジックです。
そして同じ目に見えるものでも、たとえばインフラのような巨大なものではなく、なるべく身近で手に取れるものに携わりたいと思うようになりました。

“刃物メーカー”という言葉
の裏に見えた会社の自信

貝印に出会ったのは本当に偶然でした。
就職合同説明会でパンフレットを眺めていたときに“刃物メーカー”という言葉が目に留まりました。
他社は単に“メーカー”とだけ書かれていたのに、なんでこの会社はわざわざ“刃物”とつけたのだろう。
そこに興味を持ち、ブースを訪れてみました。

帰宅し保護者に「貝印という刃物メーカーが面白そうだった」と話しました。
すると「あなたが使っている眉毛用のカミソリ、貝印のだよ」と言われたのです。
実は説明会に参加するまで私は貝印という会社を知らなかったのですが、自宅には包丁や爪切りなど貝印の製品がたくさんありました。
それがわかり、私はこの会社で仕事をしてみたいと思うようになりました。

カミソリの切れ味を
向上させる研究を担当

入社後は工場での研修を経て、カミソリの刃を研究する部署に配属されました。
カミソリは金属の刃の上に数層のコーティングを施しています。
私が今研究しているのは、最表面に施されているフッ素コーティングです。このコーティングは毛をひっかけずにスッと切れるように切断抵抗を減らしたり、肌との摩擦を減らしたりするためのものになります。

一般的に切れ味は“いい”“悪い”という表現をしますが、人により感じ方は異なります。
私たちは切れ味を数値化し、どういうものがお客様にとって心地良いかを研究しています。
生物から刃物と研究対象は学生時代と変わりましたが、仮説をもって実験し、仮説と結果の違いを見てさらに新しい実験に取り組むというスタイルは変わらずにいます。

入社間もない社員の発表も
真剣に聞いてもらえる

今の部署に配属されて間もない頃、ある製品でクレーム品が発生。製造のほうからなぜクレームが出たかわからないので、原因を調べてほしいという依頼がありました。
もちろん部署で原因究明に取り組みましたが、たまたま私がデータを多く取っていたので、上司から「次のミーティングで報告を発表してほしい」と頼まれました。
私は小さなミーティングを想像したのですが、参加者を見たら開発や技術部門の管理職の方や工場長などが大勢出席するものでした。

「私なんかが発表していいのでしょうか……」。
恐る恐る上司に話すと、
「大丈夫だよ。だってキミが一番結果についてわかっているのだから」と言います。
前日までに資料を準備し、当日はものすごい緊張の中、分析の結果をみなさんの前で発表しました。
みなさんが私の話を真剣に聞いてくださり、その後私の発表をもとにディスカッションがスタートしました。
私のような入社半年にも満たない社員にも発表の機会があり、それを真剣に聞いてくださる環境があることに感動したのを覚えています。

老舗だからこそ
のびしろがたくさんある

実は私には入社前に少しだけ不安なことがありました。
貝印は創業110年以上経つ老舗。扱う製品はどれも成熟したもののはずです。
私は研究職を希望しましたが、果たして研究して改善する余地はあるのだろうか。
しかし入社してみて、私の心配は杞憂に過ぎなかったことがわかりました。

貝印は老舗だからこそ、製品やものづくりの工程には“あたりまえ”がたくさんあります。
でもあたりまえと思わずに別の方法を模索したらものごとは変わるもの。
会社の中に課題を見つけて変えていこうという風土があるので、のびしろを感じることができました。
研究もやりがいがあります。

音楽や美術も大好き。
休日はフェスに通っています

学生時代は数学の明快さが好きでしたが、一方で音楽や美術も大好きで、小学生の時から絵画教室に通ったり金管バンドに入ったりしていました。
一時は芸術系の大学への進学も考えたほど。
とくに音楽は私の生活に欠かせないもの。音楽がなければ通勤すら苦痛になるでしょう。

プライベートでも休日はライヴやフェスに行ったり、美術館巡りを楽しんでいます。
中でもフェスはいろいろなアーティストを一度に観られるので楽しいです。
自宅にいるときは通勤や遊びに行くときなど、シーンごとに楽しめるプレイリストをつくったりしています。

貝印だから使おう。
研究を通してファンを増やしたい

私自身が就職活動をするまで貝印を知らなかったように、いろいろな製品を愛用してくださっているけれどそれが貝印だと気づいていない人は世の中にたくさんいると思います。
使っているものが実は貝印だったというのも嬉しいこと。これからはもっと知名度が上がって「貝印だから使おう」と思ってくださるお客様がたくさん増えたらと思っています。
そのために私は研究を通して貢献していくつもりです。

まだ入社して日が浅いですが、研修で工場のさまざまな工程を見ることができたのは私の財産だと感じています。
クレームが出たときも、工場を見ていたから「あの工程が原因かな」と推測することができました。
今はまだ分からないことが多くて先輩に聞いてばかり。自分がわからなかったこと、大変だと感じたことを覚えておいて、後輩ができたときにそれを伝えられたらと考えています。

SCHEDULE

スケジュール

1日のスケジュール

8:00〜 出社
8:20~ 朝礼
8:25~ メールチェック、書類の手続きなど
9:00~ カミソリの刃の切れ味、耐久性測定
11:00~ カミソリチーム進捗報告会
12:35~ 昼食
13:30~ 測定データ整理
14:00~ 整理したデータについて
ディスカッション
15:00~ 刃の観察
16:00~ データ整理、考察
17:00~ サンプル回収(第一工場へ)
17:30~ 今後の進め方についてディスカッション
18:30~ 帰宅