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味噌の賞味期限を種類別・保存方法別に解説!傷んだ味噌の見分け方も

日本人に古くから親しまれてきた味噌は、味噌汁をはじめさまざまな料理に欠かせない調味料です。しかし「味噌の賞味期限はどれくらいだろう」と気になったことはありませんか?
味噌は基本的に長期間保存できる食品ですが、種類や保存方法によっては意外と賞味期限が短い場合もあります。気付かないうちに期限を過ぎてしまい、使うのを迷った経験がある方もいるかもしれません。
本記事では、味噌の賞味期限を種類別や保存方法別に解説します。傷んだ味噌の見分け方についても紹介しますので、味噌の賞味期限が気になる方はぜひ最後までお読みください。
味噌の賞味期限とは?

味噌の賞味期限は「味噌がおいしく食べられる期限」のことを指します。
味噌の賞味期限は、「全国味噌工業協同組合連合会」からお味噌屋さんに向けて出している、賞味期限設定のためのガイドラインを参考に決められています。味噌の種類や保存方法によっても異なりますが、一般的には6〜12ヵ月程度が多いです。
味噌は古くから「発酵」と「塩漬け」の知恵を活用して作り続けられてきた、長期保存が可能な保存食です。正しい方法で熟成させれば発酵が続き、時間や温度によって味が変化していきます。密閉してきちんと保存すれば、味は変化するものの腐ることはほとんどありません。
そのため、味噌の賞味期限は、あくまで目安として考えるとよいでしょう。ただし、味噌は長期保存ができる食材だからこそ、気付いたら賞味期限が切れてしまっていたということがあるため注意してください。
【種類別】味噌の賞味期限

味噌には、米味噌、麦味噌、豆味噌などさまざまな種類があります。
ここからは、種類別に味噌の賞味期限を紹介します。
米味噌の賞味期限
米味噌は大豆・米麹・塩を原料として作られるお味噌で、甘味を塩と麹の量で調整できることから、甘口や辛口など味の種類が豊富です。
米味噌の賞味期限は、甘口か辛口かでも異なり、甘口の賞味期限は3〜6ヵ月程度、辛口の賞味期限は3〜12ヵ月程度です。一般的に、塩分量が少なく麹の量が多い甘口のほうが賞味期限は短くなります。
また、米味噌は全国各地で親しまれていて、地域によっても味の特色があります。近年は甘味のある中辛の配合が最も広く作られています。
麦味噌の賞味期限
麦味噌は大豆・麦麹・塩を原料として作られるお味噌で、賞味期限は3〜12ヵ月程度です。
麦味噌は米味噌に比べて塩分量が少なく、麦麹特有の甘味と風味が特徴です。九州や、四国、中国地方で親しまれています。
豆味噌の賞味期限
豆味噌は大豆・塩・水を原料として作られるお味噌で、賞味期限は6ヵ月〜1年程度が目安です。
豆味噌は米麹を使用せず長期熟成していることから、甘味は少なめで、濃厚なコクが特徴です。愛知県を中心とした東海地方で親しまれています。
減塩味噌・だし入り味噌の賞味期限
市販のお味噌には、健康や料理の時短のために、減塩やだし入り味噌のような商品も販売されています。
しかし、塩分濃度が低い減塩味噌や調味料を加えただし入り味噌のような加工品は、本来の味噌よりも保存性が低く、賞味期限は短くなります。
味噌は保存に適する塩分濃度で作られ日持ちがするため、減塩したり調味料の加工品が加わったりすることで、状態が変わってしまう場合もあるからです。減塩味噌やだし入り味噌は、開封したら早めに食べ切りましょう。
味噌の保存方法によっても賞味期限が変わる

味噌の賞味期限は、保存方法によっても異なります。
ここからは、保存方法別に平均的な味噌の賞味期限を紹介します。
また、味噌の保存方法について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にご覧ください。
味噌をおいしく長持ちさせる保管方法!おすすめの保存容器や保管場所まで
未開封の味噌の賞味期限
開封前であれば、味噌は常温保存が可能です。基本的には、常温は「25度まで」のことを指します。
常温保存する際には、直射日光を避けて、湿度が低く、温度変化が少ない冷暗所での保管がおすすめです。ただし、梅雨や気温が高い夏の時期は、未開封でも常温保存だと風味に影響を与えてしまうことがあるため、注意が必要です。
未開封できちんと保存していれば、6〜12ヵ月程度は保存がききます。
開封済みの味噌の賞味期限
一度開封した味噌は、保存方法にもよりますが賞味期限は3〜12ヵ月程度です。
開封後は、できるだけ空気に触れないように密閉し、冷蔵または冷凍保存がおすすめです。開封後は、熟成が進み、保管状態によっては味や風味が劣化してしまうので、できるだけ早く消費するほうがよいでしょう。
また、開封後に水分が付着したりするとカビが生えてしまう場合があるため、開封後は水分を拭き取ったきれいなスプーンなどを使用しましょう。
冷蔵保存している味噌の賞味期限
味噌は常温保存ができるものの、湿度や温度変化に弱い食品です。冷蔵保存することで品質を保ちやすくなるため、賞味期限は12ヵ月程度となります。
ただし、冷蔵保存する場合も、できるだけ空気に触れないようにすることが大切です。味噌が空気に触れると、味噌表面が乾いたり、酸化がしやすくなったりします。冷蔵保存の場合でも、蓋をしっかり閉めたり、ラップで口を塞ぐなどして密封して保存してください。
冷凍保存している味噌の賞味期限
味噌は冷凍保存も可能で、冷凍保存する場合の賞味期限は12ヵ月程度が目安になります。冷凍することで熟成がとまり、菌の繁殖を防ぎ、風味を損なわずに保存ができます。
冷凍すると味噌が凍ってしまうのではないかと心配する人もいるでしょう。しかし、味噌は塩分の性質上、冷凍しても少し固くなる程度で、カチカチに凍ることはありません。
味噌の賞味期限が切れていたら?

味噌は長期間熟成して作られる発酵食品のため、賞味期限が多少過ぎても食べることができます。一般的には保存状態がよく、賞味期限が1〜2ヵ月過ぎている程度であれば、ほとんどの場合で問題なく食べられます。
ただし、賞味期限から半年以上過ぎていると、味噌の風味はかなり変化していることが多いです。また、味噌が傷んだりした場合は食べないほうがよいでしょう。
痛んだ味噌の見分け方や特徴

味噌は発酵食品なので腐ることはありませんが、保存方法によっては痛んでしまうことがあります。
特に減塩味噌やだし入り味噌の場合は腐ることもあるため、傷んだ味噌の見分け方や特徴も知っておくと安心です。
ここからは、傷んだ味噌の見分け方や特徴について紹介します。
味噌にカビが生えている
味噌にカビが発生してしまっても、慌てないことが大切です。カビは基本的に味噌の表面に発生するので、全て取り除けば安全に食べることができます。カビを見つけた場合は、カビが生えている箇所から約1センチほど大きく取り除きましょう。その後、水分や空気に触れないように、平らにしたり、ラップをすることでカビを防ぐことができます。
味噌から異臭がする
味噌から異臭がする場合は、傷んでいる可能性があります。食べるのは控えましょう。傷んだ味噌は、シンナーやアルコールのような鼻の奥にツンとくる臭い、または納豆のような臭いがするのが特徴です。
酸味や渋みがある
味噌の味が購入時よりも明らかに酸味や渋みが強かったりする場合は、味噌が痛んでいる可能性があります。味に異変を感じたら、食べないようにしてください。
まとめ:味噌の賞味期限を理解しておいしい状態で食べよう

味噌は長期保存が可能な保存食ですが、おいしく食べられる時期の目安となる賞味期限があります。
種類や保存方法によっても賞味期限が異なるため、本記事を参考に味噌の賞味期限を理解し、おいしい状態で味噌を食べましょう。
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実践料理研究家・みそ探訪家/岩木みさき
“生産と消費を紡ぎ、食を伝える”をテーマに、実践しやすい健康レシピの考案や撮影を担当、47都道府県を探訪し取材執筆や行政案件も多数対応、ラジオやTV、CM等のメディアにも出演。料理教室などの講師業は1500回を超える。
得意とする専門分野は日本の伝統調味料 “みそ”。日本各地のみそ蔵90ヶ所以上を探訪し、みその魅力を再発見する活用方法の探求、国内外への情報発信に力を注ぐ。
代表著書「みその教科書」「1分美肌みそ汁」、新書制作中。