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あの人の洗面台と整える時間。vol.2 Lee Izumida

良い日も憂鬱な日も遅刻しそうな日だって、かならず洗面台から1日が始まる。顔を洗ったり、歯を磨いたり、鏡に向かって笑顔の練習をしてみたり、気分を上げるための“整える”時間は十人十色だ。今をときめく人たちは、どんな洗面台で、どんな1日の始まりを迎えるのだろう。洗面台を舞台にしたインタビュー企画、第2回目は絵描きアーティストのLee Izumidaさん。

リー イズミダ
絵描きアーティスト。1986年、北海道生まれ。幼少期から絵を描き始める。アメリカ留学時に絵を学ぶ。2015年より東京に拠点を移し、2019年より本格的に絵描きとしての活動をスタート。アクリル画の作品を中心に、看板や宣伝美術、ウィンドウに用いられる絵や文字を描いている。
izumidalee.com
Instagram:@izumidalee

「丁寧で優雅な朝を過ごしている……とは、ほど遠い生活です」と笑うのは人気絵描きアーティストのイズミダさん。現在は活動をスタートさせて4年目。多忙を極めるここ2、3年は、起きて30分以内にパパッと支度を整えるそう。「本当は雑誌で見るような“丁寧な暮らし”に憧れがあるんですけどね。でも寝るのが好きだからギリギリまで寝ていたいんです」。
ゆっくりと支度をすることだけが“整える”というわけではない、人それぞれのペースがあってリズムがつくられる。なかでもイズミダさんはかなりのハイペースだ。

朝が弱いと話すイズミダさんの朝はお香を焚くことからスタートする。「これは銀閣寺で買ったお香。パッケージも渋いし、香りも良くて最近よく使ってます。あとはその気分に合わせてパロサントだったり、色々変えてます。お香の香りがすると起きるぞって気持ちになるんですよね」

香りと同じように、睡眠と目覚めの整理をつけてくれるのが音楽。朝起きて電源を入れ、音楽をかけることで朝の高揚感を高めている。

そして向かう洗面台。歯磨きや洗顔、化粧もここで完結する。モノが溢れかえっているのにはどうやらワケがあるようだ。「他の場所でやると気が散って、別のことをし始めたりするので一箇所でやります」。

歯を磨き、ヘアオイルで髪をセットし、化粧をする。その間、およそ20分。準備の黒帯かと思えるほどにスピーディに支度をする。それは、遠方でのライブペイントやワークショップといった出張の多さゆえかもしれない。「去年はほんとに出張が多くて、途中でカウントするのをあきらめるほどでした。仕事前だとバタバタするので、自然と早くなったのかもしれないですね」。

香水も気分を高めてくれるアイテムの一つ。「これは最近買った〈ル ラボ〉の香水で優しい香りでお気に入りです」。目を見張るほど準備の手際がいいけれど、香りや音など五感を刺激しながら、仕事へのモチベーションを上げているようにも感じられる。

準備の合間、コーヒーカップを片手に歩きながら支度を進めるイズミダさん。「本当はゆっくり座って飲みたいけど、結局そんな時間もなくて飲みながら何かしちゃってます(笑)」。

「2023年はもう少しゆっくりとした時間を過ごしたいなと思ってます。もう二ヶ月が過ぎてしまって、まだ全然できてないけど」。そう話しながら、日課である植物への水やりを忘れないイズミダさん。花や植物などを作品のモチーフにもよく使う、彼女らしい穏やかな朝がそこにはあった。

Photography_Masashi Ura


ABOUT AUGER®

忙しい朝も、穏やかな夜も、人間らしさを取り戻す。身だしなみを整える時間は、自分と向き合う時間でもあります。自分の心に触れて日常を整えると、普段の何気ない時間が愛おしくなる。AUGERが提供したいのは、暮らしを「整える」心地よい豊かな時間です。

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