KAI FACT magazine
I'm KAI, too! #13
FACT  No.13

私もKAIです。 #13

郡上おどりで知られる郡上八幡からほど近い岐阜県郡上市大和町。長良川のほとりに建つ大和剣工場では、毎月10万丁を超える包丁が製造されている。貝印の品質を支える現場を見学させてもらった。

 矢野明美さんは、スキ工程を担当して20年近くのベテランだ。「いろいろなアイテムを扱いますが、最近多いのは『旬SORA』ですね。刃体を機械に通して研削するのに1分もかからないです。ただ、機械作業とはいえ、細かな調整には人の手が不可欠。高品質なものが一丁でも多くできた日は本当に気持ちがいいです」。

 刃付を担当するのは、國田真奈美さん。この工程になって初めて、刃先は鋭い切れ味を獲得する。高級包丁に用いられる平前刃付(湿式刃付)は、量産品に用いられる乾式刃付とは異なり、職人による高度な技術を要する。彼女は社内制度の匠マイスターでゴールド資格を持つ数少ない職人のひとりだ。「軽くやっているように見えるかもしれませんが、実は見た目よりもずっと力を入れて研いでいるんです。意外と力技なんですよ」。

 刃付後の包丁は検査・包装を経て完成する。手入れ包装を担当するのは、大中知津子さん。「傷はないか、印刷はずれていないかなど、一丁ずつ確認しながら包装します。すべての工程はつながっていて、前工程の品質がよければ、それだけ時間も短縮できる。みんなが気持ちよく作業できているということが、よい包丁を世に送り出すことにつながります」。
 製品づくりの基準を超えて「もっとよく」という思いにあふれる3人。「(包丁が)いいところにお嫁に行って欲しい!」という國田さんの言葉が印象的だった。

  1. スキ工程
    田原工場から届く包丁の刃先部分を薄く研削し、続いて側面全体を砥石で研磨する。
  2. 刃付工程
    高級包丁では、水をかけながら摩擦熱を発生させない「平前刃付」で刃先を研ぐ。
  3. 包装工程
    目視で品質を確認しながら油拭き・乾拭きし、ひとつずつ丁寧に手入れ包装する。

Questions

  • ①この仕事を始めて
  • ②仕事で嬉しい瞬間
  • ③今後の仕事の目標
  • ④休みの日は何を?
  • ⑤好きな芸能人は?
  • 包丁 包装担当大中知津子さん(左)

    ①13年 ②不良もなくスムーズに作業して生産目標を達成できた時 ③品質第一に手早く確実な作業で日々の生産を上げる ④家事、買い物 ⑤SMAP

  • 包丁 刃付担当國田真奈美さん(中央)

    ①7年 ②切れ味・見た目ともに満足する一丁ができた時 ③刃付技術の向上、できることを増やす ④家事、犬と遊ぶ ⑤佐藤二朗、ムロツヨシ

  • 包丁 スキ担当矢野明美さん(右)

    ①22年 ②納得したものができた時 ③機械を担当する上でのスキルアップ ④孫と遊ぶ、買い物 ⑤福山雅治


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